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「…夏の少年たち。」―後編

こばと。小説 「…夏の少年たち」―前編 の続きです。
前編を見ていない方は、こちらからどうぞ

なお、注意書きとしては・・・


・いおりょぎの出番は少ないです(ごめんなさい)


そこまでネタバレはありません。(コンペイトウの話ぐらいは出てきますが)
では、OKと言う方は続きからどうぞ。
 
 
 
 <前回のあらすじ>
日曜日にコンペイトウを集めに出かけた小鳩といおりょぎ。
公園で小学生と一緒にサッカーをすることになった小鳩は、自分たちを見ている少年に気づく。
小鳩は少年を追いかけるが、いおりょぎを置いていってしまい・・・




「どうしましょう…道が分かりません……」
すっかり道に迷い、公園に戻ることも少年を追うことも出来なくなった小鳩・・・
角を曲がった瞬間・・・
 「危ない!!」
 「きゃっ」
走ってきた自転車とぶつかってしまいました。
「だ、大丈夫ですか!?」
「はい…大丈夫です…」
そういって立ち上がろうとする小鳩でしたが・・・
「いたっ…」
「大変、早く手当てしないと…」
「大丈夫です。 少しすりむいただけですから…」
「よくないわよ。 私の家すぐそこだから、ちょっとおいでなさい」
「え、えっと…… あの……」
自転車に乗っていた女の人は、そういって無理矢理小鳩を自分の家へと連れていきました・・・




 「…夏の少年たち。」 ~後編~



「さてと、これでいいかしら」
「はい。 わざわざすみません」
「いいのよ。 ぶつかっちゃったのはこっちだし」
「私も少しぼんやりしてて… それよりあなたは大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫よ」
傷の手当てをしてもらった小鳩。
「ところであなたの…「ママ、ボールどこ?」」
「あらあら… すみません、ちょっと失礼しますわ」
「あ、私もそろそろ失礼します」
「あらそう? 本当にご迷惑をおかけしました」
「いえいえ。 手当てしてくださって本当にありがとうございました」
小鳩が立ち上がろうとした時、トントンという足音が聞こえ……
「ママってば… あっ!」
「ああー! さっきの」
来たのは先ほど小鳩が追いかけていた少年でした。
「あら、照也のお友達だったの?」
「えっと… それは…」
言いよどむ照也と呼ばれた少年。
「照也のお友達だったんですね~ これからもよろしくお願いします」
「い、いえ、それは…」
「あ、そうだ。 ボールは玄関のわきにおいてあるから」
「う、うん。 じゃあ行ってきます」
なにやら一人合点して話を進める母親と、一刻も早くこの場を離れたいかのように走っていってしまう少年。
「あ、待ってください~ すみません、失礼します」
「?… はい、またお越し下さい」
ようやく疑問を抱いたのか不思議そうな母親を置いて、小鳩は少年を追いかけ始めました…




「はぁ… はぁ… ま…待ってください~」
前に走った時の疲れが残っているのか、なかなか少年に追いつけない小鳩…
「は…早いです……  うわあっ」
“ドン”という効果音が聞こえるぐらい思いっきりこけてしまう小鳩。
それを見て少年も戻ってきました。
「だ、大丈夫? お姉ちゃん…」
「は、はい… 大丈夫…です」
涙目で“大丈夫”という小鳩(全然説得力ない……)
「ところで、お尋ねしたい事があるのですが…」
「あっ… えっと…」
何はともあれ、少年に追いついた小鳩は…
「公園でお見かけしたときは、何をしていらしたのですか?」
「うっ……」
小鳩の質問に少年は沈黙してしまいました・・・




とりあえず公園まで(少年の案内で)来た小鳩と少年・・・
ベンチに腰掛けると、少年が口を開きました…

「あの… けがさせちゃって…ごめんなさい…」
「いいんですよ。 それより、公園は何をしていらしたのですか?」
「…………」
「話したくなければそれでもいいです。 でも…
 公園で見かけた照也くんの顔は…何だかとても寂しそうでした」
小鳩の言葉に驚き、顔をあげる少年。
「お話していただけますか?」
「………実は…」


少年の話を要約すると…
 ・少年は今年の春に、遠い所から引っ越して来た。
 ・前の学校では、とても仲が良かった友達がいた。
 ・しかし、転校して来てから、周りの人とその友達を比べてしまい、なじむことが出来なかった……
ということらしい。


「前の学校には、とてもいい友達がいたんですね」
「うん…」
「こちらの学校の人は、いい人ではなかったのですか?」
「ううん。 みんな優しくしてくれるんだけど…… あいつらの事が忘れられなくて……」
「………」
しばらく何か考えていた小鳩でしたが、公園の時計を見ると……
「あ、そうです!」
「?」
「照也くん。 一緒にサッカーやりましょう!」
何を言われたのか、少年が理解するのに数秒かかり……
 「…えええ!!」
大きな叫び声があがり、公園の鳥が一斉に飛び立ちました。




「わ~ お姉ちゃん来てくれたんだ~」
「はい! ところで、この子とも一緒に遊んでくれませんか?」
「あ、照也じゃん」
「俺はいいぞ」
「僕もいいよ」 「俺も」
「お姉ちゃんが抜ける分、一人連れてきたからちょうどいいね」
「ぐうすう ってやつだな」
「何だよそれ」
「知らないのか~ 2で割り切れる数のことだよ」
「じゃあ割り切れないのはなんて言うんだよ」
「えっと…… 何だっけ……」
「奇数だろ」
「それそれ。 ど忘れしちまった」
「本当は知らなかったんじゃないのか~?」
「ば、ばかいえ! 知っていたに決まってるだろ」
「え~ 嘘くさ~」
そんな他愛もない会話をした後…
「そろそろ始めようぜ」
「おう」 「そうだな、始めようぜ」
「じゃあチームは…」


Aチーム……拓也 勇 裕樹 俊平
Bチーム…… 陽平 和樹 小鳩 照也
Aチームのゴールキーバー 裕樹
Bチームのゴールキーバー 陽平
 ~ルール~
・木の枝で書いたフィールドから出たら、最後にボールにさわった人の相手チームのボール
・キーパーはゴール前では手を使える
・カンを2つずつおき、カンに当たらず、2つのカンの間を抜ければゴール
・絶対に届かないような高さのシュートはゴールしたことにならない
・よく分からないときは、ジャンケンで決める



「ゴールはここからそこまで。 ボールはAチームからな」
「いいよ~」
「よし…… 始め!」



……試合は進み……
Aチーム 2点 (拓也が1点、俊平が1点)
Bチーム 1点 (和樹)


「はぁ… みなさん… 上手ですねぇ…」
「お姉ちゃんが下手なんだって」
「うう… ひどいです~」
この試合でも何度もミス(蹴り損なったり相手にボールを渡してしまったりこけたり・・・)をしていた小鳩でしたが、楽しそうな表情をしています。
それとは対照的に… 少し落ち着かない様子の照也…


「あ、あの…」
「ん? どうしたの?」
少しうつむきがちに、陽平に話しかける照也……
「えっと… キーパー…やらせてもらえる?」
「え?」
照也の口から出た言葉が意外だったのか、少し驚いた様子の陽平でしたが…
「おまえ、キーパー出来んの?」
「う、うん」
「そっか…… いいぜ」
「えっ!? 本当?」
「ああ。 俺も攻めたかったし」
「あ、ありがと…」
少し驚いて……でもうれしそうに照也はゴール前に立つのでした…



……それからまた少し試合は進んで……
Aチーム 2点のまま(照也がうまく守っている)
Bチーム 2点(陽平が2点目を決めた)
同点になっていた。



「あと1点どちらかが決めたら、チーム変えしようよ」
「いいな。 ちょうど3点になるし」
「ようし、俺が決めてやる」
「俺の方が先だぜ」
「よ~し 負けませんよ~」
「えいっ」
誰が言い出したのか、後1点でこの試合が決まることになったようです…


……数分後……
「陽平、パス」
「ナイスパス…… シュート!」
陽平のシュートは……
「あ~ おしい~」
「あっぶねぇ~」
「惜しかったです~」
わずかにゴールから外れ、相手ボールに…
「勇!」
「任せろ」
ボールを受け取り、走る勇を追いかける陽平と和樹(小鳩は追いつけない)…
追いつくかと思った瞬間…

「任せた俊平!」
「しまった!」
逆サイドを走っていた俊平にパスされ…
「ええい!」
ゴールぎりぎりのところに飛んでいったボールは……
 右側のカンに……当たらずに……

「よっしゃ! ゴール!!」
「イエーイ!」
「ナイスシュートだぜ」
「よし、俺たちの勝ち~」

勝ったチームは勝利の余韻に酔いしれ…
ある少女は「すごいシュートです~」などと感心し…
そしてある少年は、暗い表情を浮かべていた……



(どうしよう……僕のせいで負けちゃった……)
そう考えて、顔をあげることが出来ない照也……
そんな照也の肩を誰かが叩いて…
「負けちゃったな」
「っ……」
体をこわばらせ、肩を叩いた少年の顔を見ることが出来ない照也……
「……ごめん…なさい……」
「何であやまるんだ?」
「シュート……防げなくて……」
「………」
下を向き続ける照也の頭めがけて、その少年は……
「いたっ」
“ゴン”と拳を振り下ろしました。

「たく…そんなこと気にしてたのかよ」
「え?……」
「いいか、サッカーはな…… チーム一丸となって戦うもんなんだぜ」
「!!!」




「今日の負けは、照也のせいだよな」
「そんな…」
「そうそう。 だってキーパーがダメじゃどうしようもないもんな」
「うう……」
「おまえらやめろよ! サッカーは、チームで心を一つにして戦うもんだろ!
 だいたい、俺たちだって簡単にシュートさせちゃってたじゃねーか」
「う… そうだな。 悪かったよ…」



(あの時と……同じ?)
「そうそう。 僕たちで先にシュート決められれば良かったんだけどね」
「惜しかったよな~ あの時」
「………」
顔を上げて、陽平と和樹の顔を交互に見ている照也に小鳩は…
「みなさんいい人ですね、照也くん」
「お姉ちゃんは下手すぎ」
「がーん……」
(いい人…)
「でもでも、楽しかったですよね」
「うん。 友達と一緒に遊ぶとすごく楽しいよね」
(楽しい……友達……)
「照也も友達だよな」
「そうだよね、もう友達だよね」
「え?」
いつの間にか、自分の周りを囲うように
 少年達が集まっているのに気がついた照也…
少しの間、“ぽかん”とその顔を見ていた照也でしたが…やがて…
 「……うん。 よろしく」
「こちらこそ!」
「よろしく~」
わいわいと騒ぎあう少年たちの中で、小鳩は照也に近づき……
「良かったですね、照也くん」
「うん。 ありがとう」
「よーし、2回戦始めようぜ」
「そうだ陽平。 さっき僕の頭叩いたでしょ」
「げっ……」
「一発殴らせろ~」
「うわっ ちょい勘弁~」
照也がふざけて構えると、陽平が笑いながら逃げ…
「今度は鬼ごっこか~?」 「俺も混ぜろよ~」などという言葉とともに、
今度は鬼ごっこが始まったのでした。




 ~夕暮れ時~

「もう帰らなくちゃ……」
たくさん遊んで、もう子供は帰る時間となりました。
「そうだな。 帰るか」
「お腹空いたなぁ~」
「おまえの頭の中には食事の事しかないのかよ」
「食事と遊びと寝ることだけだぜ」
「自慢になんねーよ」
「じゃあ僕はこっちだから……」
「また明日ね~ バイバイ~」
「さよならです~」
次々と帰って行く少年たちを、小鳩は見送り…


「あ、あの……」
「何でしょう? 照也くん」
顔を少し赤くしながら、小さな声で……
「今日は本当にありがとう」
「ほえ? 今何か言いました?」
「……ううん。 バイバイ」
「はい、バイバイです~」
そして公園を出る直前、照也は振り返り……
 「誘ってくれてありがとう!」
大きな声で言って、そのまま行ってしまいました。




小鳩以外の人影がなくなった公園……
「さて、私もそろそろ帰らないと……」
そういって鞄を取りにいき……
「でも何か忘れているような…… 何でしょう?」
何か忘れているようで……でも思い出せない小鳩に……

 「ど~ば~と~」
“ほえ?”という感じで振り返った小鳩の目の前には……
暗黒のオーラをまとった魔王いおりょぎがいた……
「い……いおりょぎさん……」
「どばと……」




 「よくも俺様を置いていきやがったなァ!!!」




夕方の公園に……本日2回目の大爆発が巻き起こった………




「よ、良かったです……いおりょぎさんが無事に見つかって……」
「無事じゃねぇ!! あれからお前を追いかけたら飼い猫に遊ばれたり炎天下でさまよう羽目になったりして大変だったんだよ!!」
「あ、私も今日道に迷ってしまったんです~ 奇遇ですねぇ~」
「奇遇じゃねぇ!! お前のせいでどんだけ苦労したと思ってんだ!!」
「ご、ごめんなさい……」
「……ま、きちんとコンペイトウ集めたみたいだから許してやるか」
「え? 本当ですか!?」
「だがな…… 俺様にこれだけの面倒をかけたんだ……」
いおりょぎはどこからか筆を取り出すと、小鳩の顔に……

30 と書いた。

「こばと、30点」
「え~ ひどいですいおりょぎさん~」
「うっせえ!! 今日一日の俺様の時間と楽しみを奪ったお前のせいだ!」
「うう…… あ、そうだ! “一緒に遊ぶと楽しい”って皆さん言ってました!」
「いおりょぎさん。 一緒に遊びましょう!」
「俺様の楽しみは遊びぐらいじゃ補えねぇし、今日という日は戻って来ねぇんだよ!!」
「そんな~……」






 ~おまけ~
サッカー・全力疾走・鬼ごっことハードな一日を過ごした小鳩は、
翌日しっかりと寝坊して、イジワル星人に嫌味を言われたとか・・・





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 ~後書き~
ふう… やっと書き上がった……
最初に構想立ててたのに、思ったより長くなって2分割しました。
ちなみに少年達は最初名前つけてませんでした……(A・Bとか)
最後のイジワル星人は…… 言わなくても分かりますね(笑)
いおりょぎさんの口調……合ってるかな??
何かご指摘や感想がありましたら、どうかコメントお願いします・・・
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tag : こばと。 CLAMP 二次創作 小説

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プロフィール

starrealm

Author:starrealm
東京都在住の学生。
性別は男。

・趣味はネットでの小説探し
・甘党で甘党で辛いものは苦手
・綺麗なものが好き
・特に水や氷、星が好き


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