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「…夏の少年たち。」 ~Ioryogi side~

いおりょぎさん視点の「…夏の少年たち。」を書いてみました。
前編・後編の後にお読みください。

 それでは続きからどうぞ。
 
 
 
(今日は日曜日か……)
目が覚めると、もう日は昇っていた。 夏の夜明けは早いもんだ。
夏か……
(いい加減ペース上げていかないと、季節が4つ巡るまでにコンペイトウを集められねぇぞ……)
隣から人の気配がしないのなら、藤本はもう出かけたのだろう。
(どばとも少しはアイツのようにてきぱきと動けないものか……)
小鳩の何もお気楽そうな寝顔と、普段の行動とを思い浮かべて……… それは無理だと判断し……
(なら俺様が急かしてやらないとな)
そう結論づけて、目の前のお気楽少女を夢の国から引きずり出しにかかった……




とりあえず目は覚ましたものの、相変わらずほえほえしたムードを漂わせている少女にいらだちつつ……今日の目的を確認する。
「今日は日曜日だ。 これがどういうことか……分かっているな?」
目の前の少女は一瞬きょとんとしたようだが、すぐに結論に達したようで、肯定の返事をしてきた。

(ちったぁ成長したみたいだな。 これも俺様の教育のおかげか)
少し満足し、早速出発しようと腰を上げたのだが……


「今日はよもぎ保育園の皆さんと会えなくて寂しいです」

…前言撤回。 どうやら全く成長していないようだ………




 「…夏の少年たち。」 ~Ioryogi side~




突っ込みと称した一撃をかまし、ひとしきり説教した後、小鳩を外に連れ出す。
(何で俺様がこんなに苦労しなくちゃなんねぇんだ……)
熊に言わせると自業自得なのだが、断じて認めるつもりはない。
隣を歩いている少女に、今日はどこへ行くのか尋ねると、“公園”という返事が返ってきた。

(なんだか嫌な予感がするんだが……気のせいだよな……)
不吉な予感を払拭するために、この暑さに話の矛先を向ける。
話の途中に変な単語が出てきたような気がするが……気のせいだろう……


 この日公園について行ってしまったことを、死ぬほど後悔することになるのだが……





(やっぱり……こうなっちまったか……)
どうしてこんな状況になったのか整理してみる。

一 公園に着くと、見かけないガキどもがいた。
二 俺の忠告を無視して(気づかずに)、どばとがそいつらに話かけた。
三 どばとがガキどもにサッカーをしてくれと頼まれた。


結果……どばとがガキどもと一緒にサッカーをしている
結論……悪いのはどばとだ




(今朝といい今といい……よほどコンペイトウへの関心が薄いようだなァ……)
結果的に押し切られ、おまけに楽しそうにサッカーをしているどばとを見ながら、呆れと怒りとを感じる……
(ま、俺様を日が当たるところに放置しなかっただけましか)
・・・最もそれは、たまたま近くにあったベンチが木の下だったというだけなのだが……
午前中はコンペイトウ集めは無理だと諦め、視線を他にやると……
(誰だぁ? あいつ)
サッカーをしているガキどもを、木の陰からじっと見ている少年がいた……




いい加減腹も減り、どばとのドジっぷりを見ているのにも飽きてきた頃、ようやくガキどもが解散したらしい。
ガキどもがいなくなったところで、少し説教してやろうと口を開いた瞬間……
「あっ! あの子はどこでしょう?」
思わず“あの子だぁ?”と聞き返したが、どうやらさっきの子供のことらしいと合点がいった。
公園の出口を指そうとして、身を乗り出した瞬間……

「見つけましたー!」 とかこばとが言って、突然走り始め……



 鞄から落ちてしまった。



「グハッ… っておい、待て、どばとー!」
叫んだ声はどばとには届かなかったらしく、走り去っていった……





(たく……どこまで面倒かけさせる気だ、どばとは)
走り去った小鳩を、木の上を飛び移りながら探すいおりょぎ。
彼が公園で小鳩を待たない理由は、以下のとおりである。

・4・5カ月暮らしてきたため、ある程度の地図は入っているだろうが、
方向音痴である小鳩が走り回ったら、迷子になる可能性が高い。
・小鳩がトラブルに巻き込まれた時に、側にいないと何をしでかすか分からない。

一刻も早くあのバカを見つけようと木から木へと飛び移っていたいおりょぎだったが・・・
(チッ…… 次の木まで少し遠いな……)
“だが行ける”と少し助走をつけて跳んだいおりょぎ。 だが……
前方から超高速で飛んできた野球ボールが、見事命中した。
(ぐはぇっ……)
野球ボールでいおりょぎが気を失いかけたのは、後にも先にもこれっきりである。




(痛ぇなあ、おい)
吹っ飛ばされた先は、どうやらどこかの家の庭のようだった。
(さっさとどばとを見つけねぇと、何しでかすか分かりゃしねぇ)
とりあえず手近な木に登ろうとした瞬間。 後ろから気配を感じた。
(何者だ!?)
振り返り、白い猫の姿を捉えた瞬間、前足で押しつぶされた。
そのまま耳を引っ掻かれたり、転がされたりする……
「てめぇ、どうなるか分かってんだろうなァ……」
ようやく体勢を立て直し、口から一発お見舞いしてやろうとした瞬間……

「スノードロップ~ どこ行ったの~?」

人間が来たことを悟り、とっさにぬいぐるみの振りに徹する。
だが、猫の方はお構いなしに引っ掻いたり、かんだりしてくる……
(おい! 俺は食べ物じゃねぇ!)
心の中で突っ込むも、猫は相変わらず……  だが……

「スノードロップ~ こんな所にいたのね~」
飼い主らしい女が猫を抱きかかえる。
(やれやれ…… ようやく解放されたか……)
ほっと心の中で一息ついたのだが、
「あら? この汚らしいぬいぐるみは何かしら?」
(汚らしいだと…… けんか売ってんのかテメェ!)
そう思ったのもつかの間、“ひょい”とつまみ上げられ……
「こんなものが庭にあっては、せっかくのお庭が台無しですわ」
ポイッと塀の外に投げ捨てられてしまったのだった・・・




(くそ…… ここはどこだ?)
投げられたことに怒りを覚えるも、とりあえず脱出に成功したいおりょぎ。
(飛ばされた上に投げられたんじゃ、さすがに今いる場所が分かんねぇ……)
迷子を捜しにきて自分が迷うとは何事だ、と自分を叱咤する。
(とりあえず動かねぇ事には話になんねぇな)
木や物の影に身を隠しながら、移動し始めた。



 さまようこと2時間……



(腹減った…… 酒が飲みてぇ……)
炎天下で動き続けたため、いおりょぎの体力は限界にきていた。
(ちくしょう…… どこだよ、ここは……)
どこまで歩いても見覚えのない景色が続き、一向に知っている所に出ない……
(もう…… ダメだ……)
ドサッ……と倒れ、気を失ってしまった・・・




(ぁ?……いやに涼しいな……)
そう思い目を開けると・・・
(夕方か…… 何で俺は寝てたんだ?)
記憶をたぐり寄せ、どうやら倒れた所は木陰だったということと、ずいぶんと時間が経っている事を認識する。
(こばとはどうなった? 何も起きてねぇといいが……)
一刻も早く戻らなくてはと、急いで走り出した。




次の角を曲がると、公園の木が見えた。
結局、あとちょっとの所まで来ていたらしい。
公園まで行くと・・・



小鳩がガキどもを見送っているところだった・・・




(おまけに俺様のことを忘れているみたいだなァ……)
悪気はないのだろうが、これだけ苦労させておいて忘れるとは……許さん……
超低温最大限の怒気を込めて名前を呼ぶと、小鳩もさすがに思い出したようで、顔色が変わった。
もう一度名前を呼び……

今日一日でたまりにたまった鬱憤を放出した。





結局、少し怒鳴った後、30点やることにした。
不満らしく文句を言ってきて、遊ぼうだの何だの言ってきたが、変える気にはならねぇな。
ま、俺だってある程度自分で決めたルールに従って点数をつけてるんだ。(守らない事の方が多いが)

コンペイトウを集めたから100点
俺様を置いていきやがったから-20点
ボールの分と猫の分と運動の分で-100点
そして…… 自分一人で解決したことに50点
ま、最初から最後まで自分一人でやったんだ。 ボーナスだな。
あいつに教える気はさらさらねぇが……やっぱり少しは成長したみたいだな。





次の日… 寝坊した小鳩を見て、”やっぱり成長してねぇ…”といおりょぎは昨日の評価を取り下げた・・・




 ~おまけ~
「インコース低めストレート……よっしゃあ!!」
「打たれた!?」
「文句なしの場外だな……」
「今の……最後のボールなんだが……」
「お~い。 何だかあそこの道に落ちてたぜ~」
「え? 何で?」
「どっかの木の枝にでも当たったんじゃね?」
「ラッキー☆」
「……その辺に折れた枝が落ちてなかったか…?」




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 ~後書き~
当初は作るつもりじゃなかったいおりょぎさん話。
視点の固定ってのは難しいですね。
「…夏の少年たち。」シリーズはこれで終わりです。
次回作は藤本×小鳩(きよこば)の予定です。

2010.4.11 おまけ前の一文追加+行間をところどころ変更。
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tag : こばと。 CLAMP 二次創作 小説

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